スケジュール作成において重要な考え方である、クラッシングとファストトラッキングについて、説明します。
クラッシングもファストトラッキングも、スケジュールを短縮する技法ですが、短縮の仕方が異なります。本記事ではそれぞれの技法の違いについて説明します。
スケジュールのもう一つの重要な考え方である資源最適化(Resource Optimizing)についてはこちらの記事にまとめたので、あわせて確認してください。
クラッシング (Crashing)
クラッシングは、コストを追加することでスケジュールの短縮を図る手法です。クリティカルパス上のアクティビティに対して、コストを追加してリソースの増強をすることでこのアクティビティ期間を短縮します。
クラッシングを実施するには、コストとスケジュールのトレードオフについて分析をし、最小の追加コストで最大の期間短縮を図ります。
ファストトラッキング (Fast Tracking)
ファストトラッキングは、先行アクティビティの完了前に、後続アクティビティに着手することで期間短縮を図る手法です。
例えば、すべての開発が完了してからテストをするところを、開発がすべて完了する前に、完了したモジュールからテストに着手するといった対応がファストトラッキングに該当します。
ファストトラッキングを実施すると、より多くのアクティビティを同時に関し・コントロールする必要が生じます。また、手戻りリスクも増大します。
まとめ
クラッシングとファストトラッキングの特徴をまとめたのが下表です。
手法 | 増えるもの | |
クラッシング | リソースの追加投入 | コスト |
ファストトラッキング | 後続アクティビティの先行着手 | リスク |
最後までお読みいただきありがとうございました。