PMP試験出願の最大のハードルが、職務経歴書です。
英語で7500時間あるいは4500時間のプロジェクト実務経験を説明する必要があります。
筆者は海外経験のない純ドメ日本人ですが、監査対象にならずに出願できました。本記事では、職務経歴書の書き方について説明します。
なお、PMP出願手続き全体の一連の流れはこちらの記事で説明していますので、あわせて確認してみてください。
職務経歴の整理
実際に職経歴を書き始める前に、どのようなことを書くのか情報を整理しましょう。
プロジェクト経験を書き出す
まず、記載対象候補となるプロジェクト経験をすべて書き出しましょう。
受験資格として認められるのは直近8年以内なので、この期間内に自分が携わったプロジェクトをリストアップします。
この後の手順で実際に職務経歴として書くプロジェクトをピックアップするので、まずは一通り書き出しましょう。
プロジェクト期間の計算
受験資格として計算しなくてはいけないのは、プロジェクト期間と実務時間です。
まずはプロジェクト期間について計算しましょう。
プロジェクト期間は、プロジェクトにアサインされていた期間を月単位で計算します。
注意が必要なのは、同時に複数のプロジェクトにアサインされていたとしても、その期間は重複してカウントされないということです。
例: プロジェクトアサイン状況が以下のような場合
単純なプロジェクトアサイン期間は、
プロジェクトA: 5か月
プロジェクトB: 2か月
プロジェクトC: 6か月
プロジェクトD: 2か月
です。
プロジェクトAとプロジェクトBはアサイン時期が重複していないため、それぞれカウントすることができます。そのため、この2つのプロジェクトを職務経歴書記載対象にした場合、合計のプロジェクト期間は7か月になります。
プロジェクトAとプロジェクトCは、4月と5月が重複しているため、この2つのプロジェクトを職務経歴書記載対象にした場合、合計のプロジェクト期間は9か月になります。11か月にはならないので注意してください。
同様に、プロジェクトAとプロジェクトDを職務経歴書記載対象にした場合、合計のプロジェクト期間は5か月です。プロジェクトD期間はプロジェクトA期間に内包されているので、プロジェクト期間としてはプロジェクトAだけを記載対象とした場合と変わらないことになります。
ただ、このケースでも、次章で説明するプロジェクト実務時間の計算ではカウントできるので、この時点で記載対象を切り捨てるのはまだ早いです。
プロジェクト実務時間の計算
つづいてプロジェクト実務時間を計算します。
先ほど書き出したプロジェクトそれぞれについて、自分がそのプロジェクトで動いた作業時間を計算します。単位は時間 [hours]です。
作業時間を書き出すとき、以下のフェーズごとに分けて記載するようにしましょう。実際の申請時にも分けて入力することになりますので、あらかじめ準備しておきましょう。
- Initiating (立ち上げ)
- Plannning (計画)
- Executing (実行)
- Controlling (監視・コントロール)
- Closing (終結)
PMBOKのプロセス群ごとに分けて入力することが求められていることがわかります。
プロセス群って何?という方はこちらにまとめていますのでご覧ください。
ここで、各プロジェクトが全プロセス群に関わっている必要はないということに注意してください。
例えば、プロジェクト立ち上げだけに関わってプロジェクト計画以降はアサインを外れたという場合でも、Initialに作業時間を入れて他のプロセス群はすべて0時間というパターンでも問題ありません。
大きなプロジェクトに関わっていた人ほど、全フェーズにアサインされていたというケースはまれなので、フェーズごとの実務時間の大小は気にする必要はないと思います。
記載対象プロジェクトの選定
プロジェクト期間とプロジェクト実務時間の計算ができたら、職務経歴として記載するプロジェクトを選定しましょう。
プロジェクト期間とプロジェクト実務時間の両方が受験資格を満たしているように選定します。
あらためて、受験資格を確認しておきましょう。
1.高校卒業またはそれに相当する資格をお持ちの方は、60ヶ月間のプロジェクトマネジメント経験を含む、プロジェクト業務※を指揮・監督する立場での7500時間の実務経験が必要です。
2.大学卒業またはそれに相当する資格をお持ちの方は、36ヶ月間のプロジェクトマネジメント経験を含む、プロジェクト業務※を指揮・監督する立場での4500時間の実務経験が必要です。
PMP®試験の受験資格より引用
筆者の場合は、のちの工程も考えて、以下のような表をExcelで作成して整理しました。
期間の計算はすでに説明した通り単純な足し算ではないので注意しましょう。
注:上記はあくまでサンプルです。この例ではプロジェクト期間も実務時間も足りていないので、記載対象のプロジェクトを追加する必要がありますね。
なおプロジェクト名はこの時点では自分がわかりやすいように具体的に社名を書いたりシステム名を書いたりしていますが、実際の申請では具体的な顧客社名やシステム名は記載する必要はありません。
表にまとめた結果、プロジェクト期間とプロジェクト実務時間が受験資格を満たしていることを確認したら、いよいよ職務経歴を記載していきましょう。
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PMP出願時の記載内容の準備
いよいよ出願のための職務経歴を入力します。
入力画面と入力の仕方については、こちらの記事にまとめていますので、
本記事では、記載内容の準備について解説します。
プロジェクト実務時間の分類
すでに説明した通り、各プロジェクトの実務時間はプロセス群ごとに分けて入力します。
Excelでまとめていれば、その通り画面に入力するだけでOKになっているはずです。
先を見通して作業しておくのはプロジェクトマネジメント力の基礎ですね。
対象プロジェクトのリファレンス
職務経歴の記載は自己申告で、虚偽なく申告されていることは倫理・職務規定(Code of Ethics)で求められています。
【PMP試験】10分で得点源となるCode of Ethicsのすすめ
受験申請時、PMI側が申告対象のプロジェクトの実際を確認できるよう、当時の所属組織と、問い合わせ用の連絡先を入力します。
問い合わせ用の連絡先としては、当時の上司やプロジェクト統括責任者の連絡先を記載するのが妥当と思われますが、急に連絡が入って彼らがびっくりしないように、あらかじめPMPを受験することともしかするとPMIから照会の連絡があるかもしれない旨を伝えておくとよいと思います。
プロジェクト説明文の作成
PMP申請はすべて英語なので、プロジェクトの説明で苦労する方も多いのではないかと思います。
プロジェクトの説明は300字~500字で記載する必要があり、この文字数制限も大きなハードルとなっています。簡潔すぎると300字に満たないし、詳細に書きすぎると500字を超えてしまいます。
文字数制限を満たしたうえで、申請を受けるPMI側がきちんと概要を把握できるような説明内容を意識しましょう。
具体的には、以下の要素を盛り込んで書きます。
- プロジェクトの目的 (The objective of the project was ....)
- プロジェクトの成果物 (The project outcome was ....)
- プロジェクトにおける自分の役割 (I was assigned as a project lead for ....)
- プロジェクトにおいて自分が実施したことを、PMBOKのプロセスの単語落ちいて説明 (例: For Initiating, I identified stakeholders. や For executing, I did ....など)
- プロジェクトの結果 (例: As a result the system update was succeeded without any troubles. など)
英文を書きながら文字数をカウントするには、Wordの文字カウント機能が便利です。
赤枠で囲まれた箇所が既定の文字数に収まっていることを確認しましょう。
もし英語がどうしても苦手な場合には有料の英作文添削サービスを利用するのも手です。
PMP出願
以上がPMP出願に必要な職務経歴の書き方です。
不明な点や、より詳しく知りたい準備事項がありましたらコメント欄やTwitterでお問い合わせください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
